2010年8月26日木曜日

Blank Museum


原美術館にて行われているBlank Museumにて、灰野敬二さんとJim O'Rourkeさんのライブを見てきました。前衛音楽家として有名な灰野さんだが、僕がライブ行くのは今日が初めてでした。

最前の場所が取れたので、よく見ることができた。1時間かけて、1曲をやるというスタイル。
ジムさんがいつも通りアコースティックギター。灰野さんはハーディガーディという楽器を利用しながら、ノイズ音楽を奏でた。

灰野さんの楽器は、初めて見る楽器だったので、終演後に灰野さんに「これは何という楽器ですか?」、と尋ねてみたら(不勉強甚しいのだが、、)、親切にも色々説明してくださった。
ハーディガーディは12世紀に作られた西洋の楽器。
ギターのような形なんだけど、ハンドルをギーコ、ギーコと回して発音させる。音程は左手でペダルのような指置きに指を置いて音を出す。24、5のときにクラシックのレコードで、その存在を知って欲しくなったとのこと。お金の関係で手に入れたのは1995年とか。

そして、ラッキーなことに、目の前で実際に演奏を見せてくれた。近くで見ると想像以上にメカニカルな楽器だ。
ライブでは灰野さんが平均律から外れた音をずっと鳴らしていたので、うっかりそういう音しか出ない楽器なのかと思ってしまったが、これは灰野さん自身が、「禁断の8箇条」の奏法で出してわざと外しているとのこと。そりゃそうか。西洋の楽器だもんな。

他にも話してくださって、「今日の音楽は演奏前に打ち合わせとかしたんですか?」と聞いてみた。
そしたら、「ジムとは何十回もやっていて、セッション前にはもう何も決めていない。ジムと話したことはと言えば、美味しい蕎麦を食べたい、とかそういうことかな(笑) 今日も会場の雰囲気を元に音楽を構築して。映像的にしようかな、とは途中で思ったけど」とのことでした。それで、あのクオリティの1時間を作れちゃうのか。すごいなぁ。

僕と話しながらもスタッフの楽器の扱いに目を光らせていて、ちょっと粗末に扱おうものなら走っていって注意していた。
楽器を本当に大切にしている姿は見習いたいと思った。

それにしても映像的な音楽が奏でられたセッションだったなぁ。
聴きながら目に浮かんだ映像のメモの断片。
夏…セミの鳴き声を見あげると、青々と繁る葉の間から、それでも顔を射すような木漏れ日
葬列…先導は坊さんの長い隊列の白。汗だくの人々の間をゆっくりと通り過ぎてゆく。
メリーゴーランドからの回転する世界。目がわずかに捉えるのは、僕に迫る光。夕陽が途切れ途切れに。
世界は突然止まる。余韻が続く。
映像と、ぼんやりとした音の記憶が残ったそんな夜。